私はそれほど読書家ではありません。
私が読者に読書に目覚めるきっかけになったのが、重松清さんの「流星ワゴン」という本です。
これ、本当にオススメです。
この本は、何かを「やり直したい」と思っている人にぜひ読んでいただきたいです。
3年前、私は離婚して「もう人生終わった。またやり直す気力もない。寝て起きたら昔に戻っていないだろうか。」と毎日考えていました。
そのときに、本屋でこの本のポップに引き寄せられました。何と書いてあったかは覚えていませんが、この本を読みたいと初めて感じました。
本の紹介文
死んじゃってもいいかなあ、もう…。38歳・秋。その夜、僕は、5年前に交通事故死した父子の乗る不思議なワゴンに拾われた。そして―自分と同い歳の父親に出逢った。時空を超えてワゴンがめぐる、人生の岐路になった場所への旅。やり直しは、叶えられるのか―?「本の雑誌」年間ベスト1に輝いた傑作。
読んでみて感情移入できて涙が出ました。
もう人生はやり直しはできない。今の自分にできることからをやって生きるしかないと考えさせられました。
受験に失敗し家庭内暴力をふるう息子を持つ主人公の永田一雄。妻はといえば、知らない男と不倫を重ねていた。それに気づいて「死んじゃってもいいかなあ、もう。」そう考えていたときに、永田一雄は、ワゴン車に乗る橋本親子に出会う。
息子にいいところを見せようと運転免許を取ってなれない運転をして旅行に出かけるときに、事故にあって亡くなった親子だった。
そんな親子の乗るワゴン車で、橋本親子は、一雄にとっての過去の「大切な場所」に連れて行ってくれる。一雄はそこで必死に何かを変えようと行動を起こすけど、未来は変わらない。
これって、残酷だけど非常に重要なことだと思うんです。
起こったことを詳しく知り、それを受け止めるには相当に大きなエネルギーが要る。でもそれを受け止めることで、起こったことは変えられないので、自分を変えて、悲惨な現在の生き方を変えられるようになっていく。
自分ももっと前にこの本を読んでいたら何か違ったかもしれません。
でも、離婚した現実は変わらないし、起こったこと、これまでのことを反省して受け止めることで、これからの人生を変えていくんだと思えました。
ハッピーエンドじゃないけど、当時の私に大切なことを教えてくれたような気がする。 自分を救ってくれた本です。
それ以降、重松清さんの作品にはまっています。
また、時間を見つけてほかの本も紹介していきたいと思います。
2015年1月4日追記
流星ワゴンがドラマ化されるようです。